11.21木曜日

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Diseases 疾患について

下部消化器の疾患について 過敏性腸症候群について

命に関わる病気ではないが、腹部症状や排便障害により生活の質を落とす

検査を行っても炎症や腫瘍などの器質的疾患が認められないにも関わらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満などの下腹部の不快な症状が起こり持続するものをいいます。

排便の状況により、下痢型(慢性的に下痢を起こす)、便秘型(慢性的に便秘が起こる)、混合型(便秘と下痢を繰り返す)に分かれます。

男性では下痢型、女性は便秘型が多いとされます。

命に関わる病気ではありませんが、腹部症状や排便障害により生活の質を落とすことが少なくありません。

症状について

  • 下痢型

突然に起こる腹痛や下痢が起こります。

通勤や通学途中に便意や腹痛が起こり、外出に支障を来します。

大腸の蠕動運動が亢進することで、大腸における便の水分吸収が不十分となり、下痢、腹痛を来します。

 

  • 便秘型

腸が緊張状態となることで大腸の蠕動運動が減少し便秘となります。

便が長時間、大腸に停滞することで過剰な水分吸収が起こり、兎糞状(コロコロとした硬い便)の便になります。

さらに便が貯留することにより下腹部~左側腹部の違和感が起こることもあります。

 

  • 混合型

下痢と便秘を数日ごとに交互に繰り返すタイプをいいます。

原因について

原因ははっきりとはわかっていませんが、消化管の運動異常や知覚過敏、精神的なストレス等が関係しているとされ、複数の要因が組み合わされることで発症すると考えられています。

また、感染性胃腸炎に罹患した後や、緊張、不安、興奮、睡眠不足、ストレスなどが、発症の主な原因と指摘されています。

過敏性腸症候群の診断

まず、過敏性腸症候群と似たような症状をきたす器質的疾患(感染性腸炎、炎症性腸疾患、大腸がんなど)の除外が必要です。

血液検査、内視鏡検査(大腸カメラ)、腹部エコー検査などを行い、器質的疾患の除外を行います。

器質的疾患がなく、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満などの下腹部の不快な症状が起こり持続する場合に過敏性腸症候群と診断します。

過敏性腸症候群の治療

【食事療法】

炭水化物あるいは脂質を多く含む食事、コーヒー、アルコール、香辛料などを控え、食物繊維を多く含む食事を摂りましょう。

低FODMAP食(F; fermentable 発酵性、O; oligosaccharides オリゴ糖、D; disaccharide 二糖類、M; monosaccharides 単糖類、And P; polyols ポリオール)を心がけていただきます。

 

【薬物療法】

生活習慣の改善でも症状が良くならない場合には、薬物療法も検討します。

 

・セロトニン3受容体拮抗薬
下痢型過敏性腸症候群の下痢、腹痛を改善します。

 

・グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト
便秘型過敏性腸症候群の便秘、腹痛を改善します。

慢性便秘症の治療薬でもあります。

 

・プロバイオティクス
腸内環境を整え、下痢や便秘、腹部の不快な症状を改善します。

早期発見・早期治療のために、検査・健診へ是非お越しください。

当院では、早期発見・早期治療の重要性を認識し、検査・健診を推奨しています。
特に内視鏡検査は、病気の早期発見や正確な診断に不可欠な手法です。
皆様が快適で健康的な日常生活を送ることができるよう、その手助けができればと考えています。

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