ポリープを発見したらまず、よく水洗して観察します。
次にインジゴカルミンという無害な青い色素を病変に散布したり、表面の構造や血管の模様がわかりやすくなる特殊な光を当てたり、病変を拡大して観察します。
大腸ポリープとは、大腸の粘膜がイボのように盛り上がってできたドーム状のこぶのことです。
大腸ポリープは大腸がんになる可能性のあるポリープと、大腸がんにならないポリープがあります。
大腸がんになる可能性のあるポリープとしては、腺腫と鋸歯状ポリープの中でもSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)の二つのポリープがあります。
腺腫は大腸内視鏡検査で最も多く認めるポリープです。
SSA/Pは粘液が付着した平坦なポリープで、右側結腸に多く発生します。大腸ポリープは摘出することにより大腸がんを予防できると考えられています。
がんにならないポリープには、過形成性ポリープなどの鋸歯状ポリープや炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープなどがあります。
ポリープは形態的に類似しているものも少なくないため、詳細に観察して治療が必要なものかどうか鑑別します。
ポリープを発見したらまず、よく水洗して観察します。
次にインジゴカルミンという無害な青い色素を病変に散布したり、表面の構造や血管の模様がわかりやすくなる特殊な光を当てたり、病変を拡大して観察します。
治療が必要と判断された場合は、次にその病変が良性の腫瘍か、がんを含む担がん病変かを鑑別します。
内視鏡観察することである程度の鑑別は可能ですが、切除可能と判断した場合は病変を切除して病理学的診断(顕微鏡検査)を行います。
担がんしていた場合でも、表層にとどまっていれば追加手術は必要になりません。
内視鏡治療に関しては、病変の形や大きさに応じて治療する方法(内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など)を選択します。
ポリープは切除しただけでは終わりません。
病理学的評価を行い、追加治療の有無を決定します。
良性腫瘍やがんであっても粘膜内にとどまる場合には、リンパ節への転移はありませんので、内視鏡治療だけで問題ありません。
ただし、がんが粘膜下層まで深く入り込んでいる場合は、リンパ節への転移が約10%あるため、追加切除が必要です。
また、大変まれではありますが、治療の偶発症として大腸に穴が開いてしまう(穿孔)や、切除した部分からの出血などがあります。
これらの偶発症は、多くは治療の際に発生しますが、出血は治療後数日たってから起こることもあります。
いずれもほとんどの場合は内視鏡による処置(クリップで穴をふさいだり、止血すること)で対応可能ですが、穿孔は時に手術が必要となる場合もあります。
当院では、早期発見・早期治療の重要性を認識し、検査・健診を推奨しています。
特に内視鏡検査は、病気の早期発見や正確な診断に不可欠な手法です。
皆様が快適で健康的な日常生活を送ることができるよう、その手助けができればと考えています。