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慢性胃炎、胃ポリープ

慢性胃炎について

慢性胃炎

胃の粘膜に炎症が起こり、慢性化した状態です。慢性胃炎の多くはピロリ菌が原因です。ピロリ菌は胃に棲息する細菌で、胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因であることが分かっています。わが国ではピロリ菌感染者は6000万人ともいわれ、特に50歳以上の方では80%程度と高い割合で感染していると推定されています。ピロリ菌に感染しやすいのは乳幼児期(4、5歳まで)であり、成人ではほとんど感染しません。

ですから、現在は口移しなどでうつる、家族内感染が大部分を占めると考えられています。逆にいえば成人間での感染やピロリ菌を除菌された成人への再感染はほぼありません。

ピロリ菌がいるかどうかは、一部の健診でも検査することができますが、ピロリ菌が「陰性(いない)」と診断されても、感染診断だけではピロリ菌未感染(一度もピロリ菌に感染したことがない)か既感染(以前ピロリ菌に感染していたが、今は感染していない)かは判断できません。こういった場合に有効なのが胃カメラです。内視鏡検査(胃カメラ)、X線造影検査(バリウム検査)は胃がんなどの病気がないかどうかの確認だけでなく、ピロリ菌の感染状態(①未感染、②既感染、③現感染;現在ピロリ菌に感染している)や慢性胃炎の程度を推察することが可能であり、胃がんのリスクを層別化する上で重要な検査です。

慢性胃炎の症状

慢性胃炎があっても多くの方が無症状ですが、時に胃の痛み、不快感、みぞおちの辺りの痛み、膨満感、胃もたれ、食欲不振などの症状が出現します。

慢性胃炎の治療

ピロリ菌感染が見られた場合には、ピロリ菌の除菌治療を行います。除菌治療は、2種類の抗菌薬と1種類の胃薬を7日間続けて服用していただくだけの、ご負担の少ない治療です。ピロリ菌を除菌すると、胃がんの発生が約1/3に抑制されることが分かっています。しかし、除菌療法などでピロリ菌がいなくなった方も胃がんのリスクはゼロになりません。ピロリ菌除菌後も定期的な検査を心がけてください。

胃底腺ポリープ、胃過形成性ポリープについて

胃ポリープとは、胃の上皮から発生する良性の隆起性病変(内腔にドーム状に突出したもの)のことをいいます。一般的な胃ポリープは、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、胃腺腫があります。多くみられるのは過形成性ポリープと胃底腺ポリープで、それぞれの特徴を(表1)に示します。

胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープ

周囲粘膜と同様の色調を示すポリープです。ピロリ菌のいない胃底腺粘膜(ピロリ菌未感染胃にみられることがほとんどですが、ピロリ菌既感染の胃粘膜にも見られることがあります)に多発して認められます。通常、がん化はしません。女性に多くみられるとされています。PPI(proton pump inhibitor:酸分泌抑制剤)を内服するとポリープの数が増えたり、水ぶくれした外観を呈したりします。

胃過形成性ポリープ

胃過形成性ポリープ

ピロリ菌感染胃炎もしくは自己免疫性胃炎のある胃粘膜に認められます。発赤が強く、胃底腺領域だけでなく、胃全体に発生する可能性があります。PPI(proton pump inhibitor:酸分泌抑制剤)を内服するとピロリ菌未感染胃粘膜に発生することもあります。また、まれではありますが、がん化したり、出血を起こしたりする場合には、切除が必要となることがあります。

胃底腺ポリープ・胃過形成性ポリープの特徴(表1)
過形成性ポリープ胃底腺ポリープ
色調発赤調周囲粘膜と同色調
個数1個~多発
大きさ大小不同3mm前後
好発部位全体胃体部~穹窿部
H.pylori感染現感染 or 既感染未感染 or 既感染
がん化稀にあり一般的になし
生検や切除時に必要一般的になし